現役大学生記者が知りたい競技まとめ ~セーリング編~

セーリング:https://japangamestv.japan-sports.or.jp/channel.html?ch=120088


1.基本ルールと競技の特徴

セーリングは海上(湖上)に設置されたコースをいかに速く進むことができるかを競う競技だ。2本のポールの間に見立てられたスタートライン(仮想ライン)から全艇が一斉にスタートする。コースにはいくつかのブイが置かれており、それを指定された順番に回りながらゴールを目指す。艇は風に向かって真っすぐに走らせることができないため、ジグザグに方向転換(タッキング)を行い、前に進んでいく。各ブイを艇が回る際は順位の確認にもなる。

セーリングには自然を読む力とそれに基づく判断力が欠かせない。速く前に進むためには、風や波の状況を正確に把握することが必要だ。ブイを順番に回ること以外は海上のどこを走らせても問題ない。そのため、選手によって進むコースが全く異なる。例えば、さざ波の様子などから風向きを知り、向かい風を避けるように方向転換をしながら走る。つまり、コース取りには選手の自然の読み取りが反映されているのだ。さらに、選手たちは気象条件を見ながらレース中もヨットのセッティング(帆の高さの変更など)を行う。自然条件を適切に把握し、ミリ単位ともいわれるセッティングによってより速く前に進んでいく。

また、選手は粘り強い肉体も欠かせない。海上では風を受けながら時速50キロ前後の高速で艇が進んでいく。方向転換をする際には、海面につくほどの高さまで体を傾ける。このような激しい動きを支えるための体作りも必要だ。セーリングは知力と体力の双方が求められる競技といえる。


2.国体開催種目と順位決定方法

(国体開催会場である霞ヶ浦【写真:生井瑞季】)


国体では男女別、年齢別によって競技種目が異なる。成年男子では470級、レーザー級、国体ウインドサーフィン級が行われる。成年女子はセーリングスピリッツ級、レーザーラジアル級、国体ウインドサーフィン級。少年の男子と女子は420級、レーザーラジアル級を実施する。

各種目は6レースで争う。レースごとに1位に1点、2位に2点、3位に3点というように、点数がつけられる。最終順位は各レースの合計点が低い順となる。ただし、点数の加算方式が2種類ある。気象条件の関係で、各種目とも成立したレースが3レース以下の場合は全レースの合計点で順位を決定、4レース以上成立した場合は各自の最も悪いレースの点数を除外したレースの点数を合計して順位を決める。そのため、すべてのレースが終わるまで目まぐるしく順位の入れ替えがある。


3.国体独自のルール

国体で特徴的なのは、メダルレースと呼ばれる上位艇による最終レースが実施されないこと。五輪や世界選手権などでは予選レースを行った後、上位10艇による最終レースで順位を決定する。しかし、国体は最終レースがないため、1レースごとの重要性が上がることになる。

また、国体ウインドサーフィン級は五輪などで行われるウインドサーフィンと異なり、ボードに関する規制が緩く、パンピング(帆をあおる行為)なども認められている。


4.競技の歴史

セーリングの歴史は古く、五輪では「ヨット」の名称で1900年のパリ大会から実施された(1896年の第1回アテネ大会で実施予定だったが、悪天候で中止)。2000年シドニー大会からは「セーリング」と競技名を変えて行われている。国体でも1946年の第1回大会から行われており、歴史のある競技だ。


筆者:早稲田大学 杉﨑智哉