長野県ペアが優勝―アーティスティックスイミング ー

■水泳(アーティスティックスイミング 少年女子)アーカイブ動画URL

テクニカルルーティン:https://japangamestv.japan-sports.or.jp/broadcast.html?br=301324

フリールーティン:https://japangamestv.japan-sports.or.jp/broadcast.html?br=301472


水泳競技2日目、アーティスティックスイミング少年女子の試合が開催された。耳慣れない競技名だと感じる方もいるかもしれないが、これまで親しまれてきたシンクロナイズドスイミングと同じものだ。2017年に名称を変え、今日ではアーティスティックスイミングと呼ばれている。

会場の山新スイミングアリーナ(ひたちなか市)がある笠松運動公園では、28日に開会式が行われる予定だ。大きな駐車場が整備され、観客を迎え入れる準備が着々と進められている。


テクニカルは長野県が1位

(最高得点を記録した長野県ペア【写真:犬飼朋花】)

テクニカルルーティンは、演技に入れるべき要素が決まっていながらも、音楽や衣装は自由だ。要素の洗練された美しさ、規定の中で見えるチーム独自の魅力に注目が集まる。

地元、茨城県の佐藤友花・大山結子ペアの演技では、きょう一番の歓声が沸き起こった。応援席で揺れる黄色い風船は、茨城県民に配布されたオリジナルグッズだ。拍手とともに、風船の弾む音が場内に響いている。2人1組で行う高いリフトで場内を沸かせると、和楽器風の音色をよく拾った脚技を見せた。細かい振りの部分では上半身をしっかりと水面から出し、表情豊かに演技した茨城県。全ての採点項目で、「よい」とされる7.0点以上のジャッジスコアを獲得。総合76.8183点の7位で折り返した。

長野県からは、4月の日本選手権で見事3位に入った和田彩未・小林唄ペアが出場。会場の期待が高まる中、目線でしっかりとアピールしながらはじめのポーズをとった。ダイナミックな回転技を決めると、「脚のラインが2人とも綺麗なので、脚は自分たちの強み(和田)」と語る脚技に入る。美しくしなる脚をつま先まですらりと伸ばし、高さや曲げ伸ばしのタイミングを2人でぴったりと揃えた。足先のリズムで音楽を捉え、終盤に向かう盛り上がりをキレよく表現。演技終了後の手のさばき方まで気を配った。7月のジュニアオリンピックで1位の廣田樹を含む大阪府を0.9点の僅差で上回り、80.6462点で首位につけた。


僅差の点数、フリールーティンの結果は

(大声援を力に変えた茨城県ペア【写真:犬飼朋花】)

フリールーティンは、自由度が高まり、チームの色がより一層輝く。飛び込み時の振付にまで工夫が凝らされ、足先の伸ばし方1つをとっても多彩な表現を見ることができる。演技の隅々まで、目が離せない。

全体10番目に登場した茨城県ペア。地域の保育園に通うたくさんの子供たちも観戦を楽しんでいる。あたたかい地元の雰囲気を「たくさんの声援に答えようと気持ちが入った(大山)」と語った。重厚感のある音楽にのせて、強い表情で演技を開始した。2人の脚を組み合わせた繊細な形を決めて拍手を巻き起こすと、曲調が明るく変化する。一気に笑顔が弾けた。「今までで、一番良い演技ができた(佐藤)」と振り返った。テクニカルルーティンでの順位を守り、総合点で7位入賞を果たした。


優勝がかかる長野県ペアは、「絶対に優勝する(小林)」と意気込んでスタート位置についた。演技は得意の脚技から始まる。脚の開閉でリズムを刻みながら、つま先にも変化をつけた。曲中の掛け声に当てて勢いよく飛び出すと、EDM調の音楽に混ざる様々な音質を的確に捉えて表現した。「前回の大会より振り付けが難しくなって、合わせるのが大変だった(小林)」という振りもよく揃える。脚の角度や向きのコントロールで流れるようなラインを見せ、上に突き上げる部分では腰まではっきりと水面に上げた。結果は全体1位の82.3000点。テクニカルルーティン・フリールーティン共に80点を超える好成績で、完全優勝を果たした。

最後というプレッシャーのかかる演技順でありながら、大阪府も大健闘。気迫を感じさせる演技で2位につけた。東京都はフリールーティン高得点をマークし、全体3位に浮上。日本代表メンバーの熊谷日奈子率いる京都府は、5位で入賞した。


佐藤友花は終了後のインタビューで「次の大会に向けて、準備をしたい」と話すように、これからも選手たちの挑戦は続いていく。オリンピックを目前に控え、競技がさらなる盛り上がりを見せるのに期待したい。

(左から2位大阪府,1位長野県,3位東京都【写真:犬飼朋花】)


筆者:早稲田大学 犬飼朋花