森山が女子3連覇―オープンウォーター 男子は南出が混戦制す

■水泳(オープンウォーター 女子・男子)アーカイブ動画URL:https://japangamestv.japan-sports.or.jp/broadcast.html?br=301323


水泳競技のオープンウォータースイミング(OWS)は9月11日、潮来市の常陸利根川に設けられたOWS特設会場で行われ、女子は森山幸美(愛知・山本光学)が3連覇を果たし、男子は南出大伸(和歌山・木下グループ)が優勝した。地元茨城は女子の小池優媛(日体大)が13位、男子の小野吏久人(法大)は17位だった。

台風15号の影響もあり、会場の設営が進まず、当日朝による慌ただしい準備となった。それでも地元ボランティアの尽力もあり、予定通りに実施。ボランティアの人たちは競技中や合間にも運営や川の清掃活動に積極的に参加し、円滑な進行に貢献した。また、地域の小学生が女子のレースを観戦、懸命に声援を送っていた。会場では飲み物と潮来名産の米粉を使ったカステラが配布されたり、レースに実況・解説放送がついたりと、観客が楽しめる工夫もされた。

レースは男女とも5㌔。川に設けられた1周1㌔の長方形コースを5周する。ポイントは川下から川上に向かって泳ぐ長い直線だ。流れに逆らって進むため体力を消耗する。高い水温、気温に加え、体力を大きく削られる難所を含むコース。経験と厳しいレースに耐えるタフさ、仕掛けるタイミングの駆け引きが要求された。

 

森山、女王の貫録

(表彰台にあがる女子選手たち【写真:菊池廉】)

女子は午前11時にスタート。序盤は互いに探りあって先頭が目まぐるしく入れ替わる展開になった。日本チャンピオンでもある森山と、今年の世界水泳代表の新倉みなみ(東京・明大)、高校生の内田真樹(兵庫・須磨学園高)、そしてロンドン、リオ両五輪代表の貴田裕美(群馬・コナミスポーツ)が、先頭を交代していった。地元の歓声に送り出された小池は1㌔を過ぎた時点で8位と入賞圏内につけた。

森山は1.5㌔過ぎでペースを上げて先頭に立つと、じわじわと後方を引き離す。中盤以降は独泳状態。そのまま後続に1分近い差をつけ、1時間13分59秒1でゴール。「タイムは思ったより遅かった。ただ流れに逆らうところも自分の力でしっかり進めた」と振り返った。来年の東京五輪でも活躍が期待される。

2位は1時間14分57秒8で新倉が入り、貴田が16秒差で3位。昨年の福井国体で7位に入賞した地元の小池は今年も入賞で得点獲得を目指したが、目標を果たせず「年々速い選手が増えていて良い順位を取るのが難しくなっている」とレベルの高さを実感した。

 

男子は最後まで目が離せず

(会場の利根川に向かう選手たち【写真:菊池廉】)

午後1時半に始まった男子も、序盤は女子と同様に先頭が5~6人の間で激しく入れ替わった。中盤に入って、世界水泳代表の豊田壮(福井・福井運動公園事務所)がトップを奪ったが、3~4㌔の1周でペースダウン。昨年2位の南出大伸(和歌山・木下グループ)と綿貫海斗(神奈川・日体大)が4㌔過ぎで追いつき、優勝争いは3人に。ラストスパートを最初に仕掛けたのは南出。競泳の1500㍍自由形でも活躍する彼は「泳力勝負になれば負けない」とスピードに自信を持っていた。南出は1時間3分35秒6でゴール。2位の豊田とのタイム差はわずか2秒5だった。

優勝争いよりも激しかったのは、得点が絡む入賞争い。6月のワールドシリーズ(ポルトガル)で日本勢初優勝を果たし、連覇がかかった宮本陽輔(埼玉・自衛隊)と、桑添陸(岩手・新潟医療福祉大)、小林祐馬(三重・三重県体協)の3人がほぼ同時にゴールした。写真判定にもつれ込んだ結果は7位が桑添、8位が宮本で、得点を手にした。地元の大学1年生、小野は昨年の19位から8位入賞を狙ったが、目標を果たせなかった。


筆者:早稲田大学 菊池廉