岐阜県が逆転優勝 地元茨城は7位入賞―スポーツクライミング リード(少年男子)

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 東京オリンピックに追加種目として正式に採用され、注目を集めるスポーツクライミング。この日はリード・少年男子の部が鉾田総合公園特設リード競技場にて行われた。野外に設置された強い傾斜のウォールを力強く登っていく選手に対して、観客からは大きな歓声が上がった。通常は個人戦であるスポーツクライミングだが、国体では2人1組のチーム戦で行われる。

(リードの会場となった鉾田総合公園特設リード競技場)

持久力が試されるスポーツクライミング・リード

スポーツクライミングには、ロープを付けない種類のフリークライミングで、4~8手ほどのコースを登り、登り切った数を競う「ボルダリング」、15メートルの高さの壁を登る速さを競う「スピード」(国体では実施されない)、そしてこの日行われた「リード」の3種目がある。「リード」は競技者につけられたロープをコース上の支点に通しながら、登ることができた高さを競う。コースはルートセッターと呼ばれる専門家が決勝では数人のみが完登できるように設定している。また、今大会の決勝はオンサイト方式と呼ばれる方式で行われ、競技者は試合前に設定されている6分間のオブザベーション(コースの下見)以外はウォールを見ることができない。他県の選手のクライミングを見ることができないため、オブザベーションによる手順の決定が必要で、思考力・戦略性が試される競技でもある。また、他種目よりも登る距離が長いため持久力も求められる。

(懸命に登る茨城県・田中慧樹)

「奇跡」からの逆転優勝

 予選を突破したのは20道県のうち8県。2018年福井国体同種目で優勝の愛媛県や同2位の滋賀県、3位の埼玉県などが順当に突破した半面、昨年は出場もかなわなかった奈良県が予選同率2位の千葉県、埼玉県に差をつけ1位で予選を突破した。

大きな歓声の中決勝2番目に登場したのは地元・茨城県。「少年男子として最後の国体。頑張ります」と試合前話していた石田諒(茨城)。惜しくも完登とはならなかったものの、声援に応える7位入賞を果たした。

記念すべき令和第1回の国体で優勝を果たしたのは岐阜県。他県に比べスタートから最初のホールド(突起物)に足をかけるまで時間をかけ、入念にコースを確認した。岐阜県代表の田中裕也は試合後、「予選でミスをし、決勝に行けるかわからなかった」と話し、また森本治誉(はるよし)は「決勝に残れたのは奇跡だった」と話した。予選でミスはあったものの、国体ならではのチーム戦の特性である、「1人のミスをもう1人がカバーできる」(田中)の通り、「奇跡」を起こして見せた。

埼玉県の百合草碧皇(あお)、千葉県の村下善乙(ぜんと)、奈良県の西田秀聖の3人は右ルートで完登して見せたが、チームポイントで惜しくも優勝の岐阜県、第2位の滋賀県に及ばなかった。

(優勝した岐阜県森本(左)と田中(右))

優勝の喜びもつかの間、岐阜県の両選手は早くも次を見据えていた。「まずは明日のボルダリングで決勝に残りたい」。この先もスポーツクライミングから目が離せない。

 

筆者:早稲田大学 山崎航平