ダイナミックな動きの行方ースポーツクライミング(ボルダリング)

■スポーツクライミング チャンネルページ:https://japangamestv.japan-sports.or.jp/channel.html?ch=120078


 スポーツクライミング競技最終日となった10月6日、鉾田市の鉾田総合公園体育館では成年男子・少年男女のボルダリング決勝が行われた。

 

 ボルダリングの魅力といえば、ダイナミックな動きで次のホールドをつかみ取る選手たちの動きだ。また、一見不可能に見える課題が、「正解ムーブ」(課題設定者が意図した登り方)を見つけ出すことによって登れてしまう、パズルを解くようなムーブ選びにも注目だ。

 会場には立ち見ができるほど多くの人が詰めかけ、選手に「ガンバ!」と声援が送られていた。また、ボルダリング中、実況による選手の紹介や、選手による意気込みが紹介され、ボルダリングを知らない人でも楽しめるような工夫がみられた。

栃木、最後まで果敢に壁に挑むー少年男子ボルダリング

 少年男子は予選で1位だった栃木が決勝でもそのままの実力を発揮し、優勝を勝ち取った。

 一番会場が盛り上がったのは川又玲瑛(栃木・宇都宮南高)が残り時間わずかで課題4を完登した時だ。課題4には苦戦する選手が多く、川又まで誰も完登できていなかった。川又はクリア後、大きくガッツポーズを繰り返し、喜びをあらわにした。川又の完登後、ペアの関口準太(栃木・真岡中)も果敢に壁に挑むが、あと一歩及ばず。しかし、最後まで諦めない姿勢を見せた2人には会場から大きな拍手が送られた。

 

(少年男子で見事に課題4を完登した栃木の川又玲瑛)

茨城が巻き返し2位―少年女子ボルダリング

 少年女子では、予選4位だった地元の茨城は決勝で2位に入った。大きな要因としては、森秋彩(茨城・つくば開成高)の活躍が挙げられるだろう。森は8月の世界選手権(八王子)で種目こそ異なるが、リードで銅メダルを獲得した実力者。この日は決勝に出場した少年女子の中で唯一、すべての課題を完登したのだ。

 決勝は予選を通過した各県代表の8ペア(2人1組)で争われ、前半の4組は1人も課題1を完登することができなかった。しかし、5番目に登場した茨城の森は表情を変えず、楽々とクリア。勢いのまま課題2もクリアし、ペアの菊池野音(茨城・東洋大付属牛久高)に攻略のアドバイスを伝える。通常、ボルダリングは個人戦だが、国体ではペア同士で登り方の相談をするなど、チームワークが大切になる。菊池は森からのアドバイスを参考に、課題2でゾーンを獲得することができたが、一歩及ばず完登とはならなかった。試合後、菊池は「あと一歩のところで決めきれないトライが続いたので、そういうところをもっと練習したい」と次への意気込みを語った。

 休憩を挟んで臨んだ課題3は、完登できたのが森のみ。結局、4課題すべてを完登した森は決勝での個人順位は1位だった。それでも現状に満足せず、「すべて(の課題)で1位を取りたかったので悔しい」と更なる高みを誓った。茨城ペアには地元選手ということもあって、会場からはひときわ大きい声援が送られ、森は「地元の皆さんからの声援が背中を押してくれて、苦しいときもそれで何とか耐えられた。応援は嬉しかった」と感謝。菊池は「皆さんの応援のおかげでとれた順位だと思う」と笑顔で話してくれた。

 

(少年女子で課題4を楽々と完登した茨城の森秋彩) 

迫力あるムーブに注目―成年男子ボルダリング

 成年男子は岐阜が優勝、北海道が2位、三重が3位だった。

 岐阜の亀山凌平(名城大)と日比野良祐(岐阜・愛知大)は、アテンプト(試技)に入る前に入念にブラッシング(ブラシでホールドを磨くこと)したり、残り時間を確認したりするなど、落ち着いて登る姿が印象的だった。

 北海道は杉本怜(北海道・マイナビ)と武者知希(北海道・北翔大)が出場した。杉本は少年から含めると10回目の国体出場で、「毎年、国体は同窓会のような感じで楽しみにしている」とのこと。課題1では初めに武者が5回目のトライで完登すると、それを見ていた杉本がすぐさまトライし、完登。杉本はトップホールドでガッツポーズをし、喜びをあらわにした。

 

(成年男子で完登後、ガッツポーズをみせる杉本怜)


記事・写真:早稲田大学 倉持七海