ボルダリング体験記

スポーツクライミング:https://japangamestv.japan-sports.or.jp/channel.html?ch=120078


茨城国体で注目したい競技の一つはスポーツクライミングだろう。実は、8月に東京・八王子で開催された世界選手権の女子複合で銀メダルを獲得し、来年の東京五輪代表に内定した野口啓代選手や、全種目を通じた日本人最年少メダリストになった女子リード3位の森秋彩選手ら、茨城県は有名クライマーの出身地であるのだ。

 

スポーツクライミングとは

スポーツクライミングは東京五輪で初めて実施競技に採用された新しいスポーツ。競技方法などは、まだ広く知られていない。

そもそも、スポーツクライミングは、人口的に作った壁を、そこに取り付けられたホールドと呼ばれる突起物をつかんで登っていく競技。ボルダリング、リード、スピードの3種目に分かれる。茨城国体では、鉾田市でボルダリングとリードが実施される。ボルダリングは、制限時間内に与えられた課題をこなしながら壁を登っていく種目。他の2種目とは違い、安全確保用のロープは使用せず、壁は5メートル以下と低めに設定される。リードは、高さ12メートル以上に及ぶ壁を制限時間内でどこまで登れるかを競う。なお、東京五輪では男女ともこの3種目を合わせた複合でメダルを争う。

 

体験してみた

(国体でも実施されるボルタリング【写真:結城和臣】)

では、実際にどのような競技なのか。筆者は注目の若手、森選手が通った「Rockyつくば阿見店」で体験してみた。

コースは90分のボルダリング体験会。初めにビデオとスタッフの説明でルールなどを確認し、アドバイスを参考にさっそく壁を登ってみる。しかし、ただやみくもに登るのではない。同じ色、形のテープが貼られたホールドしか使ってはいけないのだ。基本的に、手足は両方ともそのホールドにしか置けない。

難易度が低いレベルでは、登る姿勢も楽で、ホールドもつかみやすい形と大きさでスムーズに登れた。しかし、難しくなるにつれ、ホールドは小さくなったり丸みを帯びたりし、つかみづらくなる。腕力を振り絞ってつかめても、同時に下を見て小さな足の置き場を常に探さなければならない。やっと見つけても、その姿勢は苦しくてとても保てるものではない。

休む間もなく常に全身の筋肉を使い、同時にどのように登るかを再考し、頭の中で処理しなくてはならないのだ。握力や体力がすぐに限界を迎えるほど全神経を使うからか、登ったときのうれしさや達成感はこの上ない。ぜひ体験してみてほしい。

 

現場から見たスポーツクライミング

最後に、Rockyつくば阿見店の店長のミカチさん(ニックネーム)に話を聞いた。

―国体の会場は鉾田市だが、阿見店で国体は話題になるか。

社会人の方たちの関心はそれほど高くないように感じるが、興味のあるお客様同士では話が上がっている。当店はボルダリング施設のため、話題となるのはやはりスポーツクライミングの中でも特にボルダリング競技が多い。

―スポーツクライミングはどのような点が面白いと思うか。また、選手のどのような点に注目していますか。

リード、ボルダリング、スピード、それぞれ活躍している選手がいる。リード、ボルダリングでは、大会で登る直前までどんな課題なのかが分からない。限られた少ない時間でどう完登(登り切る)するか、選手一人一人の登り方の選択が見ていて面白い。

―スポーツクライミングが東京五輪の正式競技になり、森選手や野口選手が有名になったが。

元々ボルダリングをしていたお客様は、茨城県出身の選手の活躍により、自身のボルダリングのモチベーションへ繋がっている方が多い。また、スクールに通うお子様も増えている為、スポーツとしての人気も高まってきているように感じる。


筆者:慶應大学 結城和臣