W杯だけじゃない―ラグビー(成年男子7人制)

■ラグビー(成年男子7人制)アーカイブ動画URL:https://japangamestv.japan-sports.or.jp/channel.html?ch=120072

 

残暑の厳しい10月1日。水戸市のケーズデンキスタジアム水戸で行われたのは、ラグビー成年男子7人制「セブンズ」の決勝トーナメントだ。7人制の試合時間は15人制とは異なり、7分ハーフ。個々の選手の俊敏性が遺憾なく発揮されるスピーディーな展開が特徴だ。地元茨城はベスト4を逃し、惜しくも5位に。優勝は、トップリーグのホンダ・ヒートが主体となった強豪・三重が勝ち取った。

 

地元でつかんだ入賞

決勝トーナメント1回戦で佐賀に24-26の競り負け、準決勝進出を逃した茨城。5位決定戦の相手は熊本だ。前半はリードするものの、12-7と1トライ差まで迫られた。しかし、後半はさらに攻撃のペースを上げ、横瀬慎太郎(流通経済大)の連続トライなどで21点を奪取。相手には得点を許さず、33-7で快勝した。

地元優勝こそ成らなかったが、キャプテンの釜谷壮一(株式会社HIPUS)は「地元開催ということで今年4月から練習してきたが、ずっと優勝へのプレッシャーがあった。しかし、いざ試合に入ってみると、地元の皆さんの歓声などがあり、リラックスして試合に臨めた。佐賀に負けて気持ちの整理が難しかったが、ここまで来たら入賞するという気持ちにすぐに切り替えられたのが良かった。去年は7位、今年は5位なので、来年こそは優勝できるように、経験を練習に活かして頑張っていきたい」と語っていた。

(表彰式後、笑顔を浮かべる茨城県チーム)

 

優勝候補の本領発揮

決勝は三重対大分。三重は決勝でプレーした全員がホンダ・ヒートの選手で、開始1分、渡部寛太がトライを決め、その後も根塚聖冴のトライなどで前半から試合の流れをつかむ。対する大分は前半終了間際にゴールライン前まで迫ったが、ミスから無得点。14点ビハインドで前半が終了する。

後半は入るとすぐ、選抜チームの大分が反撃。福田哲也(コカ・コーラボトラーズ)が華麗にディフェンスを突破し、初得点を挙げた。開始およそ30秒のことだ。しかし、三重は簡単に主導権を渡さない。生方信孝が連続トライを決め、26-7と引き離し、そのまま大分の反撃を振り切った。

優勝した三重の生方は「決勝ラウンドに上がるまで、自分たちのラグビーをやるのに時間がかかって上手くいかなかったが、試合がごとにチーム全員が同じベクトルを向いて戦えたのがよかった。『ホンダ・ヒート』という普段のラグビーチームで送り込まれたわれわれには、優勝が当たり前というプレッシャーが大きかったが、だからこそ絶対に勝てるという自信を持って臨めたのだと思う。今はその重圧から解放されて安心している。われわれホンダ・ヒートは、普段は15人制のラグビーチームなので、まずは来年1月から始まるトップリーグに向けてこれからは頑張っていきたい」と笑顔で語ってくれた。

 

(スクラムを組んで大分県の攻撃を防ぐ三重県)

 

今が熱いラグビー

最後にワールドカップ(W杯)日本大会が盛り上がっているいま、2人にラグビーの魅力を聞いた。茨城の釜谷は「ラグビーは一つのボールのために全員が体を張る。ワンフォーオール、オールフォーワンの精神を見てほしい」と言い、三重の生方は「人種関係や体の大小、足の速さに関係なく、さまざまな人が一緒のチームで一つの目的に沿って戦ったりすることができるので、そこが魅力だと思う」


筆者:慶應義塾大学 結城和臣