仲間感じて放つ一矢 弓道

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10月6日、水戸市の堀原公園武道館弓道場は多くの観客で賑わっていた。弓道の少年男女・近的、成年男女・遠的で、どれも決勝戦が行われた盛りだくさんな1日だ。4県が種目別優勝に輝き、ともに戦い抜いた仲間と喜びを分かち合った。


成年は女子が愛媛、男子は岡山が優勝

(成年女子遠的で優勝した愛媛県。左から滝水、越智、玉木)

(成年男子遠的優勝の岡山県。左から吉田、徳山、西村)

大会3日目となるこの日、はじめに優勝を決めたのは愛媛だ。滝水幸虹(聖カタリナ大)、越智夢叶(松山東雲短大)、玉木里奈(DCMダイキ)が出場した成年女子の遠的で、12射9中54点を記録。越智が4射皆中し、鹿児島との接戦を2点差で制した。

雨脚が強まる中での一戦となったが、雨の影響はあまり受けず、むしろ涼しくて競技しやすかったと振り返る。試合での緊張に備え、「(的の)上半分に当てるように」(玉木)と練習を重ねた。愛媛県の優勝は17年ぶり3度目。この結果に、3選手とも「嬉しい」と口を揃えた。

成年男子では、岡山県が優勝。決勝では、吉田章朗(岡山県警)、徳山陽介(本山学園)、西村英信(岡山県弓道連盟)が12射皆中95点と三重を圧倒した。西村は、今大会で国体出場20回目を迎える。「西村さんの20回目に花を添えよう」(徳山)と意気込んで臨んだ。決勝トーナメント全ての試合で全員が皆中という、抜群の安定感だった。実力者が揃った決勝では、相手がどこで何点だったか一切気にせず、自分の的に集中したという。「無心になれて、辛抱できたのがよかった」と西村は語った。実は、つい先日子供が生まれたばかりだという徳山。おめでたいことが重なった今大会を、2年連続6度目の優勝で彩った。


少年は女子が愛知、男子は熊本が制す

(少年女子近的で初優勝した愛知県。手前から太田、加藤、酒井)

少年の近的でも、白熱した試合が繰り広げられた。女子の優勝は愛知県。8月のインターハイで団体3位に入った太田陽菜、酒井杏佳(ともに豊橋商業高)に加藤莉茉(愛知みずほ大瑞穂高)が加わったチームだ。個人4位入賞の糸数智恵(興南高)率いる沖縄県との決勝戦は、どちらも12射7中ずつと拮抗し、競射にもつれ込む熱戦だった。加藤、酒井が見事に的中させ、目標にしてきたという優勝を現実のものにする。愛知県初優勝の快挙をもたらした。「全員の1本1本がなければ負けていたと思うので、よかった」と酒井は接戦を振り返った。

(少年男子近的で優勝の熊本県。左から園田、岩元、細川)

男子は、園田慧伍(球磨工業高)、岩元奏磨(小川工業高)、細川凌平(秀岳館高)の熊本が優勝した。対戦相手は神奈川。両者譲らぬ試合が続いたが、最後の3射で勝敗がついた。岩元が皆中を見せ、12射10中で熊本に軍配が上がった。競技終了後、「このチームで最高の結果が出せて、最高です」と園田は満ち足りた表情を見せた。悔いが残らぬよう、という園田の言葉を胸に、調整を重ねて試合を迎えた。個々で良い練習を積みながら、隣に立つ仲間の存在を感じて弓を引く。チームでいることが楽しい、1試合でも長く戦いたい。そんな思いが導いた、7年ぶりの優勝だった。


筆者:早稲田大学 犬飼朋花